介護ロボットで腰痛予防|ロボットスーツで腰の負担を4倍低減

介護ロボットで腰痛予防|ロボットスーツで腰の負担を4倍低減

紹介したいロボットスーツ

最近、山口県で約40日間断水が続く問題がありました。

給水所での水の運搬のために24人が骨折されたことが報道されています(断水の周防大島、給水運搬で高齢者ら24人骨折, YOMIURI ONLINE)。

しかし、最近では、重たいものを運ぶ作業をする際に適したロボットスーツ等が発売されています。

もっと市場に流通して欲しいと思っているので、今回はその活用事例を紹介したいと思います。

サイバニクス

2015年に日本腰痛学会に参加した時に”サイバニクスを駆使したHALの腰部機能支援・負荷低減への展開”という演題を聴講しました(【イベント情報】第23回日本腰痛学会(2015.11.14), CYBERDYNE)。

サイバニクスとは、脳・神経科学、行動科学、ロボット工学、IT技術、システム総合技術、生理学、心理学などを融合複合した新しい研究領域です(インタビュー「サイバニクスから生まれたロボットスーツ」
開発者山海嘉之氏に聞く
, 障害保健福祉研究情報システム)。

そしてサイバニクスを応用して開発されたのが、HAL(ハル)という人の動きを補助するロボットスーツです。

HAL(Hybrid Assistive Limb)は、身体の機能を改善、補助、補助、拡張、再生することができる、サイボーグ型ロボットで、人が身につけて使用します。HALの仕組みは、身体の表面を流れる電気を応用しています。

人が体を動かそうとすると、脳から神経を通じて筋肉に信号が伝わり、その際に身体の表面に微弱な「電位信号」が漏れ出ます。

HALには、皮膚に貼るセンサーがあり、このセンサーで体表の電位信号を捕らえて、装着車の動きをサポートします(What’s HAL?, CYBERDYNE)。

HALの製品群と導入事例

HALの活用分野には作業支援、医療、福祉があります。導入事例を少し調べてみました。

まず、作業用としては、大和ハウス工業がHAL腰タイプ作業支援用を全国の9工場に30台導入したようです。

床から部材を持ちあげる作業で腰にかかる負担を最大4倍低減できるそうです(ロボットスーツ「HAL腰タイプ作業支援用」を全工場に導入, 大和ハウス工業株式会社)。

作業用としては、その他には、消防隊員の動作の補助としても導入が検討されているようです(消防本部にロボットスーツHALを導入!~つくば市トライアル発注認定制度を活用して~, つくば市)。

色々と活用の幅は広そうです。

その他には、保険会社が、自動車保険、傷害保険の被保険者に無償で提供するサービスにも活用することもあるようです(ロボットを損害保険商品に‐AIGとサイバーダインが提携, 薬事日報)。

以下は、HALの歩行機能工場促進プログラム体験者の声の動画です。

ロボットスーツがあることでリハビリが上手くいけば、高い費用対効果が見込めそうです。

また医療分野でも活用が進んでいて、全国の33の病院、リハビリテーションセンター等での導入実績が紹介されていました(ロボットスーツHAL導入状況, 大和ハウス工業株式会社)。

用途としては、医療従事者が装着して、患者さん、要介護者をサポートする場合もあれば、患者さん、要介護者自身が装着して、動き易くすることも想定されると思います。

なお、レンタル料(法人向け)が年間100万円程度かかるようです(商品ラインナップ, 大和ハウス工業株式会社)。

しかし今後、作業用の用途で利用者が増えたり、医療用として長期的な効果が認められれば、健康保険で費用がカバーされる割合も増えるのではないかと思います。