noteで日記をはじめました。

カフェインと睡眠|夕方〜夜のカフェインはメラトニンの分泌を遅らせ睡眠に影響する

カフェインと睡眠|夕方〜夜のカフェインはメラトニンの分泌を遅らせ睡眠に影響する

コーヒー摂取量は睡眠時間に影響しない?

日本疫学会の学術集会で、”コーヒー摂取量が睡眠時間に影響しない”という研究結果が発表されました(日本疫学会, 2019)。

カフェインは睡眠に影響する印象があったので、カフェインと睡眠についてまとめました。

カフェインの生理作用・飲料中の含有量

カフェインは、アルカロイドという化合物の1種で、さまざまな生理作用があります。

  • 覚醒作用
  • 血管拡張作用
  • 交感神経刺激(基礎代謝促進)
  • 胃酸分泌促進作用
  • 利尿作用

カフェインを含む飲み物には、100mlあたり、カフェインが20-160 mg程度含まれています(全日本コーヒー協会, n.d.)。

  • レギュラーコーヒー 約60mg 
  • インスタントコーヒー(2g) 約60mg 
  • 玉露 約160mg 
  • 煎茶 約20mg 
  • 紅茶 約30mg 
  • ウーロン茶 約20mg

カフェイン摂取の上限目安は400mg

メイヨー・クリニックによると、1日400mgまでなら安全とされています(健康な成人の場合)。

妊娠中の場合には、WHO(世界保健機構)から、300mg以下のカフェイン摂取が推奨されています(WHO, 2019)。

しかし、173mg以上のカフェイン摂取が、3歳時までの食物アレルギー発症リスクを増加させていたという研究報告もあります(日本疫学会, 2019)。

妊娠中の場合には、カフェイン摂取は100mg以内にすればほとんど問題ないと言われています(赤ちゃんの部屋, 2019)。

メイヨー・クリニック(米国)(Mayo Clinic)はUSニュースにより 米国病院ランキングのU.S. News Best Hospitals 2015-16 で、ほとんどの部門で1位に選ばれました。病院では医師と科学者が4,200名、レジデントが2400名と豊富な人材をもとに医療、研究、教育をしています”。

病院の広報室

カフェインの覚醒作用のメカニズム

アデノシンは、睡眠物質の一つで、目覚めた後に、この物質が溜まってくると眠くなります。

アデノシンは、アデノシン受容体に結合します。

睡眠物質とは、睡眠欲求の高い状態で脳内あるいは体液内に出現して、睡眠を引き起こしたり維持させたりする物質”

日本睡眠学会

そしてカフェインも、アデノシン受容体に結合します。

カフェインがアデノシン受容体に結合することで、アデノシンの結合を妨げて覚醒作用を発揮します。

昼寝を取りすぎると、夜眠れなくなるのは、昼までにせっかく蓄積したアデノシンが、眠ることでリセットされるためです。

カフェインの睡眠への影響

カフェインを摂りすぎると睡眠の質が下がり、睡眠時間が短くなる

カフェインの睡眠への影響について調べると、下記のような結果が出てきます。睡眠の質を低下させたり、長さを短くする作用があります。

  • 500 mg以上のカフェインを摂る人は、少ない人に比べて睡眠の質が低い(n=144)。
  • 6時間未満の睡眠時間の人は、8時間以上の人と比べて、3.6倍のカフェインを摂取していた(n=170)。
  • コーヒーを8杯以上飲む人は、平均して40分間睡眠時間が短い。

カフェインはデルタ波(脳波)を減らす

脳波計を使用した研究から、カフェインの眠りの各段階への影響がわかっています。

デルタ波は、深い睡眠で多くみられる波長です。

ノンレム睡眠での、デルタ波の減少と、シグマ/ベータ割合の増強は、睡眠が浅いこと示しますが、カフェイン摂取によりこの現象が起こるきることがわかっています。

カフェインは、メラトニン分泌を遅らせる

メラトニンは、暗くなると分泌が増えるため、”暗黒のホルモン”と呼ばれています。

日中、強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減少し、夜、暗くなってくると分泌量が増える。メラトニンが脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備が出来たと体が認識し、睡眠に向かわせる作用がある。

Wikipedia

コーヒーを1週間、午後か夕方に5.3杯飲むと(n=6)、メラトニンの深夜(1-4時)の分泌が70%減少することがわかっています(カフェイン無し 24.3μg vs カフェインあり 7.2μg)。

逆に、200mgのカフェインを午後に摂取すると、メラトニンの血中濃度が増えた(=分泌された)という研究結果もあります。

上記2つが相反する結果なので、”睡眠”と”カフェイン”をキーワードに文献を探すと、体内時計について考察しているものがありました。

眠る3時間前に、エスプレッソ(ダブル)を飲むと、メラトニンのリズムが40分遅れるそうです(Burke et al., 2015)。

眠るタイミングが病的に遅い場合には、日中に日光を浴びて、夕方の蛍光灯にあたる時間を短くして、夕方のカフェイン摂取を減らす方法が提案されていました。

引用

Clark I, Landolt HP. (2017). Coffee, caffeine, and sleep: A systematic review of epidemiological studies and randomized controlled trials. Sleep Med Rev. Impact Factor 10.662

Burke TM, Markwald RR, McHill AW, Chinoy ED, Snider JA, Bessman SC, Jung CM, O’Neill JS, Wright KP Jr. (2015). Effects of caffeine on the human circadian clock in vivo and in vitro. Sci Transl Med. Impact Factor 16.710

全日本コーヒー協会. (n,d.). カフェイン. コーヒー図書館.

Mayo Clinic Staff. (2017). Caffeine: How much is too much? Mayo Clinic.

病院の広報室. (n.d.). 全米ランキング1位のメイヨークリニックの広報.

赤ちゃんの部屋. (2019). 【医師監修】妊婦のカフェインはなぜダメ?1日の摂取量は?取りすぎの影響は?

World Health Organization (2019). Restricting caffeine intake during pregnancy.

日本疫学会. (2019). 第29回 日本疫学会学術総会 講演集. Retrieved February 24, 2019 from http://jea29.jp/pdf/29-kouenshu.pdf