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母乳と搾乳の使いわけ|赤ちゃんが風邪をひくと母乳の白血球数が増える

母乳と搾乳の使いわけ|赤ちゃんが風邪をひくと母乳の白血球数が増える

母乳は細菌を含んでいて、乳児の腸内環境の発達に重要

以前、子供の腸内細菌について調べていた時に「母乳が細菌を含んでいて、乳児の腸管内の細菌の発達において重要」という記述を目にしました。

今回は、母乳と搾乳の身体への影響の違いについて調べました。

母乳と搾乳のメリット・デメリット

今回は、MEDICAL NEWS TODAYの記事(2018)を参考に、母乳と搾乳のメリット・デメリットのうち気になった項目を深掘りしました。

本記事の目的は、母乳と搾乳とでどちらが良いのか結論を出すためではありません。

違いを分かった上で、状況にあった方を選ぶための参考にしていただければ幸いです。

母乳のメリット

フィードバックにより母乳の構成が変わる

赤ちゃんの唾液を介して、お母さんの身体に変化が起こり母乳の構成が変わることが示唆されています(詳細は後述)。

赤ちゃんのために最適化された母乳を与えることができます。

乳児に必要なだけ母乳が産生されるため、長期的・健康的に継続できる。

母乳の産生には、需要と供給のバランスが成り立っています。

赤ちゃんがより多くの母乳を必要とする時には、母乳の産生量が増えます。

簡便で費用負担がより少ない

厳密には費用がかかりますが、母乳では費用の負担が少なく済みます。

さらに、準備が不要で簡便です。

乳児の感情をなだめる効果がある

ある研究では、母乳の授乳が、生後12ヶ月までの子供たちのワクチン時の痛みを緩和する効果が認められました。

子供と母親とのきずなを深める時間になる

母乳により、赤ちゃんとお母さんとの肌と肌がふれあいます。

多くの研究で、新生児が保護者とのふれあいが必要であることがわかっています。

肌と肌とのふれあいが、低体温症のリスクの低減、ストレスの緩和、睡眠の向上に関わっていることがわかっています。

搾乳のメリット

授乳のタイミングを調節できる

授乳のタイミングをコントロールできるので、より多くの時間を自由に使えます。

授乳を保護者間でシェアできる

子育ての労を保護者間で分けることができます。

分娩直後、お母さんが出産から回復するまでの間に特に重要です。

母乳だけでは量が足りない時に搾乳を活用できる

授乳できる量を増やすため、母乳での授乳後に搾乳することも、ままあります。

搾乳は、母乳が足りなくなるという問題を解決する一つの方法です。

お母さんが休める

搾乳により、お母さんが休める時間が増えます。

ドナーミルクを利用できる

生後6ヶ月までは、人の母乳を与えることが推奨されています。

何らかの事情により、その子供のお母さんが母乳を洗えられない場合に、他の人の母乳で代用することができます。

母乳のデメリット

タイミングのコントロールが容易ではない

赤ちゃんのお腹が空いたタイミングで授乳するため、スケジュールを立てるのが難しいです。

乳首のかゆみなど

授乳中に乳首のかゆみ、かすれ、感染が起きることがあります。

搾乳をしても起り得ますが、母乳の場合の方が起り易いです。

育児の分担のバランスの問題

複数人の保護者で赤ちゃんを育てる場合、授乳に関してはお母さんが全てこなすことになります。

搾乳のデメリット

免疫系に関するメリットが少なくなる

搾乳またはドナーミルクのみを利用した場合、母乳と赤ちゃんとの間のフィードバックがなくなります。(母乳と搾乳を併用した場合は、このデメリットは該当しないと思います。)

費用がかかる

搾乳器、哺乳瓶、母乳保管用バッグなどの器具を揃える必要があります。

プライバシー・利便性の懸念

休暇中、仕事中などの外出時には、音が出る搾乳器は、周囲に人がいる環境では使い難いことがあります。

保管の懸念

母乳の保管は簡単ではありません(詳細は後述)。

ここまでのポイント

母乳は、赤ちゃんの体調に合わせて免疫系の細胞の構成が変ります。

搾乳のメリットは、母乳の保管方法を除き、利便性が高いことです。

赤ちゃんが感染すると母乳中の白血球が増える

母乳は赤ちゃんを感染から守っています。

ある研究では、母乳中の白血球数と免疫に関する分子を計数して、感染症にかかった後にそれがどのように変わるかを調べています。

現象としてはシンプルで、通常は母乳中の白血球は、全細胞のうち0-2%を占めていますが、赤ちゃんが感染した場合には、その割合が最大94%まで増えます。

そして、しばらくするともとの値(0-2%)にまで戻ります。

なお、出産後1−2週間は白血球の割合は13-70%と高いこともわかっています。初乳・移行乳に相当する期間です(ベビスマonline, 2018)。

このメカニズムについては、授乳時に、赤ちゃんの唾液が乳房に逆流することで、乳房の免疫系を刺激することが原因だと考察されています。

母乳は4℃で6日間は安定

母乳は長期間保存できる可能性について示唆する文献がありました(Fogleman, 2018)。

微生物学的・免疫学的観点から、搾乳後の母乳、凍らせた母乳ともに、4℃で6日間は安定でした(論文は要旨Abstractのみ確認しています)。

研究の方法:搾乳したミルクを24℃、4℃、-20℃でそれぞれ保管し、微生物学的・免疫学的に母乳を分析しています。

引用

Villines Z. (2018). Should you pump or breastfeed? MEDICAL NEWS TODAY.

Hassiotou F, Hepworth AR, Metzger P, Lai CT, Trengove N, Hartmann PE, and Filgueira L. (2013). Maternal and infant infections stimulate a rapid leukocyte response in breastmilk. Clin Transl Immunology. Impact Factor NA

Fogleman AD, Meng T, Osborne J, Perrin MT, Jones F, Allen JC. (2018). Storage of Unfed and Leftover Mothers’ Own Milk. Breastfeed Med. Impact Factor 1.951

ベビスマonline. (2018). 母乳って何が含まれているの?母乳の成分を徹底解明します。