米国ガイドライン推奨|アゼライン酸がニキビに効くしくみ

米国ガイドライン推奨|アゼライン酸がニキビに効くしくみ

ニキビ治療には、いろいろな方法があります。

これまでに「ビタミンDが不足している人で、これを補うと赤ニキビが改善する」という趣旨の記事を書きました。

関連記事:【ニキビ】ビタミンD不足なら補給すると赤ニキビが35%減少

今回は、ニキビを引き起こす原因と治療に有効な成分についてまとめました。

ニキビの症状を左右する「皮脂腺」と「皮脂の細菌」

ニキビは、毛穴の皮脂を分泌する場所に起こる慢性的な炎症です(Dréno, 2017)。

近年、ニキビの発生には「皮脂腺」「皮膚の細菌」が関わっていることがわかってきました。

皮脂の産生を増やすのは、ストレス・脂肪酸・コレステロール・糖・レプチン

皮膚は、身体を外敵からまもる、一番大きな臓器です。

皮膚がバリアとして機能するために、適度な水分を保っていることが重要で「皮脂」も貢献しています。

この皮脂の産生は、皮脂腺にある「受容体」によってコントロールされています。

主にストレスが原因で活性化します。

  • ヒスタミン受容体(ヒスタミン)
  • DHT受容体(アンドロゲン=男性ホルモン)
  • ニューロモジュレーター受容体(主にサブスタンスP)
  • CRH受容体(コルチコトロピン放出ホルモン)

皮脂産生に関わる受容体は、まだまだあります。

以下の受容体は、栄養の摂取と関係があります。

  • PPARα/β/γ(遊離脂肪酸・コレステロールで活性化)
  • インスリン様成長因子(IGF)-1(糖・レプチンで活性化)

レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、食欲・体重のコントロールをする役割があります。

作用する場所により、働きは違いますが、皮脂腺では油滴(油のしずく)の産生に関わっています。

さらに、炎症を引き起こす物質を増やします(インターロイキン6/8)。

先ほど「脂肪細胞」からレプチンが産生されると書きましたが、脂肪細胞の数と体積が多く・大きい肥満の状態だと、ニキビができやすいこともわかっています。

健康な肌では善玉菌(S. epidermidis)がアクネ菌を抑え込んでいる

皮膚には、腸や口の中と同じく細菌がいます。

この細菌は、以下の要因によって、善玉菌が多くなったり、悪玉菌が多くなったりします。

  • 外的要因:物理的要因、面ぽうを生じやすい、化粧品、界面活性剤、医薬品、食事
  • 内的要因:ホルモン、遺伝

皮膚の悪玉菌

人にとって都合の悪い悪玉菌には、有名なアクネ菌だけでなく、最近、巷で話題のマラセチア菌もリストアップされています。

  • アクネ菌(ニキビ)
  • マラセチア菌(脂漏性湿疹)
  • ニキビダニ(酒さ)

皮膚の善玉菌

次に、人にとって都合の良い善玉菌です。

Staphylococcus epidermidis(以後、S. epidermidis)という細菌は、アクネ菌が増えるのを防ぎます。

名前の「epidermidis」というのは、皮膚(Epiderm)に由来しています。

この菌が減ると、アクネ菌が好き放題に暴れだします。

では、S. epidermidisは、どうやってアクネ菌を抑え込んでいるのでしょうか?

S. epidermidisは「コハク酸(succinic acid acid)」という酸を出して、アクネ菌の増殖を防いでいます。

腸で例えると、乳酸を産生するビフィズス菌です。

肌も腸も「弱酸性」に保つことが重要みたいです。

外部リンク:弱酸性とビオレu(花王株式会社)

外部リンク:肌だけじゃない、腸内環境も「弱酸性」に保つことが重要な理由(家庭画報.com)

アゼライン酸は天然由来で皮膚に優しい(米国ガイドラインで推奨度A)

米国のガイドラインによると、ニキビの治療法には以下の様なものがあります(Zaenglein et al, 2016)。

  • 外用療法(過酸化ベンゾイル、アゼライン酸など)
  • 抗生物質(内服)
  • ホルモン剤(ステロイド、スピロノラクトンなど)
  • イソトレチノイン
  • その他の治療(ケミカルピーリングなど)
  • 補助的治療(ハーブ、チャノキ油など)
  • 食事療法

今回、これらの中で一番気になるのは「アゼライン酸」です。

なぜかと言うと、構造がコハク酸と似ていて、さらに、前述の米国のガイドラインでは推奨度が最高の”A”です。

アゼライン酸の働きには以下の5つがあります。

  • 毛穴のつまりを解消
  • 皮脂の分泌を抑える
  • 抗菌作用
  • 抗酸化作用
  • 美白作用(メラニン産生を抑制)

外部リンク:アゼライン酸|スキンケア研究所(ロート製薬株式会社)

アゼライン酸を配合した製品

DRX AZAクリア アゼライン酸配合(15g)

ロート製薬のDRXシリーズは「クリニック限定販売」とホームページに記載がありますが、なぜかアマゾンで取り扱いがありました…医薬品ではないようなので良いんでしょうか?

アゼライン酸のメリットは、穀物や酵母などの食物に含まれる成分で、安心して使用できることです。

製品のQ&Aを見てみると、若干ピリピリするようです。

外部リンク:よくあるご質問|クリニック限定化粧品 DRX(ロート製薬株式会社)

アマゾンのレビューでも「塗るとピリピリします。」とありました。その方には効果があったようです(2019年3月時点)。

DRX AZAクリア・商品リンク

楽天リンク:♪ 15g【ロート製薬株式会社】DRX AZAクリア 15g<ホームスキンケア><フェイスクリーム><にきび・ニキビ><ディーアールエックス>

アクネル ローション&美容液

その他にも、アゼライン酸を配合している製品がありました。

「アクネル ローション&美容液」の製品ページでは、「アクネクリアローション100mL(2,980円)」に殺菌効果が謳われているので、こちらにアゼライン酸が入っているようです。

アクネルローション・商品リンク

まとめ

健康な肌では善玉菌がアクネ菌を「コハク酸(ジカルボン酸)」を分泌することで抑え込んでいます。

米国のガイドラインで推奨されているジカルボン酸の「アゼライン酸」は天然由来で皮膚に優しい成分です。

引用

Dréno B. (2017). What is new in the pathophysiology of acne, an overview. J Eur Acad Dermatol Venereol (Impact Factor 4.278).

Zaenglein AL, Pathy AL, Schlosser BJ, Alikhan A, Baldwin HE, Berson DS, Bowe WP, Graber EM, Harper JC, Kang S, Keri JE, Leyden JJ, Reynolds RV, Silverberg NB, Stein Gold LF, Tollefson MM, Weiss JS, Dolan NC, Sagan AA, Stern M, Boyer KM, Bhushan R. (2016). Guidelines of care for the management of acne vulgaris. J Am Acad Dermatol (Impact Factor 6.898).